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知覚過敏の原因と対処法

冷たい飲み物を飲んだときや、歯みがきをしたときに歯がしみた経験をお持ちの方は多いと思います。虫歯になったのかもしれない考えているうち、しばらくしたら、その症状がなくなった経験はありませんか? それは知覚過敏です。
歯には神経が通っていて虫歯になると歯がしみたり痛くなったりします。
しかし、虫歯でもないのに、なぜしみてしまうのでしょうか?

知覚過敏の原因

知覚過敏を引き起こす原因はいくつかあります。主要なものをご説明します。

◆歯周病による知覚過敏

知覚過敏の原因が歯周病にあると言われてもピンとこない方が多いと思います。

まず歯の構造から説明します。歯は歯冠部とよばれる歯ぐきから出て、目に見える頭の部分と歯根部と呼ばれる歯ぐきの中に埋まっている根の部分に分けられます。歯冠部はエナメル質という硬いアーマーのような強い組織で覆われている一方で、歯根部は主に象牙質という柔らかい組織でできています。

歯周病が進行すると歯ぐきが痩せてきます。いちど痩せた歯ぐきが元に戻ることはありませんので、歯根部の露出が歯周病の進行とともに大きくなってきます。そうなると、この部分を歯ブラシで触れるときにしみる症状が出てきます。
歯ぐきがそれほど痩せていない初期の歯周病だと、歯周病だと自覚ができず、その原因がわからないことが多くあります。

歯がしみる症状は歯周病のサインである場合もありますので、症状を感じたら、まずは歯科医院でしっかりと診断してもらいましょう。

◆歯石クリーニングによる知覚過敏

歯科医院で歯石を取る処置を行ったり、クリーニングした後にしみることもあります。これは歯石で覆われて一時的に守られていた部分が露出したことが原因で発生する知覚過敏です。

ここで注意してもらいたいことがあります。

歯がしみるのが嫌だからと言って歯石を放置してはいけません。しみる症状を抑える方法はあります。歯石の除去はしっかり行い、しみるのであれば、その対処をしましょう。
歯石の付着を放置ししていると歯周病が進行し、歯根部の露出部分が増え、しみる症状がもっと酷くなることもあります。また重症化すると神経を取らざるを得なくなったり、最悪、歯を残すことが困難な事態に陥ってしまいます。

◆歯の磨き過ぎによる知覚過敏

歯みがきすることをよく「歯をゴシゴシする」と表現しますが、実際にゴシゴシと強く歯をみがいてはいけません。歯が削れてしまいます。

歯ブラシぐらいで歯は削れないだろうと思っている方、ご注意ください。本当に削れてしまいます。歯冠部を覆うエナメル質はとても硬く削れないのですが、歯根部が露出した柔らかい象牙質の部分は削れてしまうのです。

歯みがきをしすぎの方は皆さんが思っているよりも多くいます。歯科の通院歴があまりなく、虫歯治療もしたことがない。歯磨きも頻繁にしている。なのに歯がしみる。まさか虫歯になったのでは!?と心配になっているような方は要注意です。

知覚過敏の対策

症状がでると何かと不快な知覚過敏。どのような対処方法があるのでしょう? 自宅でできる対処法と歯科医院で行う対処方法をそれぞれご説明します。

◆自宅でできる対処法

歯が削れてしまい知覚過敏症状が出ている場合は、歯ブラシによる圧を弱くする必要があります。以下に記載した歯ブラシの持ち方と動かし方を意識しましょう。

歯ブラシの持ち方

歯ブラシは力いっぱい握るのではなく、鉛筆を持つように握ります。
手のひらを全体を使って握るパームグリップだと、手の力がより伝わりやすく、歯ブラシの圧が高くなってしまい歯が削れてしまいます。
フィンガーグリップという鉛筆を持つような握り方をしましょう。余計な力が伝わりにくく、歯ブラシの圧力がかからず、歯が削れてしまうのを防ぎます。また、細かいところを磨く事もできます。

歯ブラシの動かし方

数本の歯を一気にみがくような横に大きくスライドさせるのではなく、1本ずつ小刻みに動かしてみがくようにしましょう。大きい反復運動が歯を削ってしまいますので注意しましょう。

市販の知覚過敏用の歯みがき粉を使用するのも大変効果的です。

◆歯科医院で行う対処方法

原因が歯周病の場合は歯周病の基本治療を行います。まず、歯にこびりついている歯石の除去をします。その後、しみる歯に対して塗り薬を塗ります。もし歯が削れてしまっている場合、その範囲が2−3mm程度以上であれば、削れた部位に対して白い樹脂を詰めます。

塗り薬は歯みがきをすると効果が薄れていきますので、しみる症状が続く場合は繰り返し塗る必要があります。

しみる症状があまりにも酷い場合は、歯の神経を取り除いてしまう方法があります。しかし、神経を取ってしまうと歯の寿命が極端に短くなってしまうリスクがあるため、なるべく行いたくありません。どうしても痛く、他に対処法がない場合の最終手段となります。

おわりに

歯がしみる原因は、上記でとりあげた原因以外にもあります。症状が出て、気になっている方は早めに歯科医院に相談しましょう。

その他のしみる原因
・咬耗・摩耗によるエナメル質の亀裂、象牙質の摩耗によるもの
・酸性飲食物の頻回摂取による酸蝕症によるもの
・ホワイトニングした後に出現するもの
・詰め物入れた後に出現するもの etc…

知覚過敏の仕組み(補足説明として)

象牙質表面には電子顕微鏡で観察すると無数の穴があいています。その穴から歯髄細胞(神経)に管が続いています。これを象牙細管といい、その中には内容液があります。

この象牙細管内に象牙芽細胞の細胞突起が一部伸びており、象牙細管の出口からの刺激はこの内容液を介して細胞の圧受容器が反応を示し、歯髄細胞に痛み刺激となって発現するといわれています。ハイドロダイナミックセオリーと呼ばれ、これが最も有力な説とされていますが、他にも多くの状態や説が提唱されています。

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